秘密
◇◇◇
「これ、何に使おうか?」
指先で商品券を詰まんで、それをヒラヒラとさせる佐野君。
さっきはホントに恥ずかしかった…
佐野君、よく平気だなぁ…
「なんか欲しい物ある?」
私一人でなら、あんなに沢山の知らない人達から注目浴びて、写真撮られるのなんて絶対に無理だから、やっぱりそれは佐野君の物。
「ううん。私お母さんに洋服買って頂いたし…」
「じゃ、俺の好きなの買ってもいい?」
「うん。そうして?何買うの?」
「着いてきて」
そう言って佐野君に連れてこられたのは、アクセサリーショップ。
外見からしてメンズのショップみたい。
中に入ると少しうるさい位の音楽がかかっていて、男の店員さんの顔にピアスが沢山付いていて、痛くないのかと心配になってしまった。
佐野君はその店員さんに近付き。
「あれ、見せて?」
と、レジの横のガラスケースを指差した。
店員さんが鍵を開けてガラスケースの窓を開くと、佐野君は中から箱をひとつ取り出した。
「ほらこれ」
そう言って私にそれを見せてくれて。
「わあ…可愛い、男物も可愛いのあるんだね?」
それはチタンのブレスレットで、少しゴツめのデザインだけど、一つだけ小さなクロスのチャームがアクセントになっていて、佐野君にとても似合いそうだった。
でも、同じようなデザインでそれよりも細いブレスレットと二本並んで箱に入っていた。
「これ下さい、箱いらない、直ぐに付けるから」
そう言って佐野君は私の手を取り、細い方のブレスレットを左腕に付けてしまった。
「え?…あの…佐野君?」
「こっち、奏にやる、もうひとつのは俺に付けて?」
「え−?いいよ私は、佐野君がふたつ付けなよ?」
「彼女さん…それペアブレスだから、細いのは女性用だよ?貰ってあげなよ」
ピアスだらけの店員さんがクスクスと笑いながらそう言うと、私はその時初めてそうだとわかって、なんてバカなんだろうと思うのと同時に、佐野君が私にペアブレスを付けてくれた事が、嬉しくてたまらなくなってしまった。
「二人で稼いだんだから、二人の物買おうと思って…」
「これ、何に使おうか?」
指先で商品券を詰まんで、それをヒラヒラとさせる佐野君。
さっきはホントに恥ずかしかった…
佐野君、よく平気だなぁ…
「なんか欲しい物ある?」
私一人でなら、あんなに沢山の知らない人達から注目浴びて、写真撮られるのなんて絶対に無理だから、やっぱりそれは佐野君の物。
「ううん。私お母さんに洋服買って頂いたし…」
「じゃ、俺の好きなの買ってもいい?」
「うん。そうして?何買うの?」
「着いてきて」
そう言って佐野君に連れてこられたのは、アクセサリーショップ。
外見からしてメンズのショップみたい。
中に入ると少しうるさい位の音楽がかかっていて、男の店員さんの顔にピアスが沢山付いていて、痛くないのかと心配になってしまった。
佐野君はその店員さんに近付き。
「あれ、見せて?」
と、レジの横のガラスケースを指差した。
店員さんが鍵を開けてガラスケースの窓を開くと、佐野君は中から箱をひとつ取り出した。
「ほらこれ」
そう言って私にそれを見せてくれて。
「わあ…可愛い、男物も可愛いのあるんだね?」
それはチタンのブレスレットで、少しゴツめのデザインだけど、一つだけ小さなクロスのチャームがアクセントになっていて、佐野君にとても似合いそうだった。
でも、同じようなデザインでそれよりも細いブレスレットと二本並んで箱に入っていた。
「これ下さい、箱いらない、直ぐに付けるから」
そう言って佐野君は私の手を取り、細い方のブレスレットを左腕に付けてしまった。
「え?…あの…佐野君?」
「こっち、奏にやる、もうひとつのは俺に付けて?」
「え−?いいよ私は、佐野君がふたつ付けなよ?」
「彼女さん…それペアブレスだから、細いのは女性用だよ?貰ってあげなよ」
ピアスだらけの店員さんがクスクスと笑いながらそう言うと、私はその時初めてそうだとわかって、なんてバカなんだろうと思うのと同時に、佐野君が私にペアブレスを付けてくれた事が、嬉しくてたまらなくなってしまった。
「二人で稼いだんだから、二人の物買おうと思って…」