秘密
◇第14話◇
◆◆◆
早朝の体育館はまだ誰の姿も見えなくて、でも鍵が開いていると言う事は、高田先生がもうすでに学校に来ていると言う事で。
全国大会行きを決めたバスケ部は、他の部には申し訳ないけど、体育館の使用権はほぼバスケ部の物になる。
俺はボールを両手に持ち、コートの真ん中で佇み目を閉じる。
家を出る時は蝉の鳴き声すらしていなかったけど、今はジワジワと、熱い一日の始まりを告げている。
ゆっくりと目を開けてリングを見つめる。
リングにボールを入れる。
ただそれだけがバスケじゃない。
そこに到達するまでの言い様のない興奮と、躍動。
それを味わいたくて、何度でも、何度でも繰り返す。
一度身体に染み込んでしまったら、もうそれから逃れられない。
今でもはっきりと覚えてる。
チビで身体が弱かった俺を鍛える為に、父さんの勧めで小3で始めたミニバス。
最初はボールなんか全然上手く扱えなくて、こんなボール遊びの何が面白いのかと毎日の練習もただ辛いだけのものだった。
そんな俺の唯一の自慢は誰よりも高く跳ぶ事だった。
チビでもジャンプすると上級生より手の位置が上にある事に気付いた。
それからの俺は上級生からボールをもぎ取る楽しさを覚えた。
でも、もぎ取ったボールは意図も簡単に奪われて、次にボールを奪われない術を必死に身に付けた。
初めてレッグスルーが出来た時には家に帰って父さんに自慢した。
初めての公式戦でシュートを決めた時。
一試合でスリーを5本決めた時。
初めてリングに手が触れた時。
もっと高く。
誰よりももっと高く。
いつの間にかバスケが生活の一部になっていた。
夜遅くまで、毎日毎日ひたすら練習。
俺はチームの中で一番高く跳べるようになっていた。
そんな中、ヨースケと出会ったんだ。
ヨースケは俺の頭上の遥か上まで跳んでいて、チーム内で誰よりも高く跳べる事に有頂天になってた俺に衝撃を与えた。
俺だってもっと高く跳べる。
ヨースケに敗北してからの俺は、益々バスケにのめり込んでいったんだ。
早朝の体育館はまだ誰の姿も見えなくて、でも鍵が開いていると言う事は、高田先生がもうすでに学校に来ていると言う事で。
全国大会行きを決めたバスケ部は、他の部には申し訳ないけど、体育館の使用権はほぼバスケ部の物になる。
俺はボールを両手に持ち、コートの真ん中で佇み目を閉じる。
家を出る時は蝉の鳴き声すらしていなかったけど、今はジワジワと、熱い一日の始まりを告げている。
ゆっくりと目を開けてリングを見つめる。
リングにボールを入れる。
ただそれだけがバスケじゃない。
そこに到達するまでの言い様のない興奮と、躍動。
それを味わいたくて、何度でも、何度でも繰り返す。
一度身体に染み込んでしまったら、もうそれから逃れられない。
今でもはっきりと覚えてる。
チビで身体が弱かった俺を鍛える為に、父さんの勧めで小3で始めたミニバス。
最初はボールなんか全然上手く扱えなくて、こんなボール遊びの何が面白いのかと毎日の練習もただ辛いだけのものだった。
そんな俺の唯一の自慢は誰よりも高く跳ぶ事だった。
チビでもジャンプすると上級生より手の位置が上にある事に気付いた。
それからの俺は上級生からボールをもぎ取る楽しさを覚えた。
でも、もぎ取ったボールは意図も簡単に奪われて、次にボールを奪われない術を必死に身に付けた。
初めてレッグスルーが出来た時には家に帰って父さんに自慢した。
初めての公式戦でシュートを決めた時。
一試合でスリーを5本決めた時。
初めてリングに手が触れた時。
もっと高く。
誰よりももっと高く。
いつの間にかバスケが生活の一部になっていた。
夜遅くまで、毎日毎日ひたすら練習。
俺はチームの中で一番高く跳べるようになっていた。
そんな中、ヨースケと出会ったんだ。
ヨースケは俺の頭上の遥か上まで跳んでいて、チーム内で誰よりも高く跳べる事に有頂天になってた俺に衝撃を与えた。
俺だってもっと高く跳べる。
ヨースケに敗北してからの俺は、益々バスケにのめり込んでいったんだ。