秘密
◇第18話◇
◆◆◆
−−ガシャン!
突然の破壊音に我に返れば、今まで手に持っていた筈のグラスが、足元で粉々に砕け散っていた。
「あちゃー…、何やってんの?茜、もう何個目だよ?」
「あ……、ごめん…」
響屋のカウンターの下。
割れたグラスを拾い集める為にその場にしゃがみ込む。
「……茜、お前、大丈夫か?」
マスターが厨房の暖簾を片手で開きながらそう言ってきて。
「うん…、ごめんマスター…また割っちゃって…」
「そんな事はいい、それより気を付けろ、怪我すんな…」
「うん……」
言いながらグラスの破片を拾い集めていると、右手の人差し指にチクリと痛みが走った。
手を広げて見てみると、1センチ程切れた指先から血が流れ、掌を伝って流れていく。
それをじっと見つめていると、ホウキとちり取りを持った恭介がカウンターの中に入ってきて。
「あっ。お前切ってんじゃん、何やってんだよ、全く…」
恭介はその場にホウキとちり取りを置いて、後ろの棚のいちばん上にある救急箱を取り出しカウンターの上に置く。
「ほら、そこは後にして、傷口綺麗に洗え」
「茜…、お前言ってる側から…」
マスターが厨房から出てきて、カウンターの中に入ってきた。
「ここは俺がやるから、キョン、あっちで手当てしてやれ」
ホウキを掴みながらマスターはカウンターの向こう側を顎でしゃくる。
「ほら、こっち来い、茜」
俺は言われるがまま、傷口を洗うとカウンターの椅子に腰を下ろした。
「ごめん、マスター…」
しゃがんでグラスを片付けている、マスターのスキンヘッドに向かって俺はそう言った。
「あ?ああ…、気にすんな。グラスならいくらでもあるからな」
「ほら、手ぇだせ」
カウンターの上に腕を乗せ、掌を広げると、恭介は傷口に消毒液染み込ませたコットンを押し当てる。
少しだけ傷口に染みて、チクリと痛んだ。
−−ガシャン!
突然の破壊音に我に返れば、今まで手に持っていた筈のグラスが、足元で粉々に砕け散っていた。
「あちゃー…、何やってんの?茜、もう何個目だよ?」
「あ……、ごめん…」
響屋のカウンターの下。
割れたグラスを拾い集める為にその場にしゃがみ込む。
「……茜、お前、大丈夫か?」
マスターが厨房の暖簾を片手で開きながらそう言ってきて。
「うん…、ごめんマスター…また割っちゃって…」
「そんな事はいい、それより気を付けろ、怪我すんな…」
「うん……」
言いながらグラスの破片を拾い集めていると、右手の人差し指にチクリと痛みが走った。
手を広げて見てみると、1センチ程切れた指先から血が流れ、掌を伝って流れていく。
それをじっと見つめていると、ホウキとちり取りを持った恭介がカウンターの中に入ってきて。
「あっ。お前切ってんじゃん、何やってんだよ、全く…」
恭介はその場にホウキとちり取りを置いて、後ろの棚のいちばん上にある救急箱を取り出しカウンターの上に置く。
「ほら、そこは後にして、傷口綺麗に洗え」
「茜…、お前言ってる側から…」
マスターが厨房から出てきて、カウンターの中に入ってきた。
「ここは俺がやるから、キョン、あっちで手当てしてやれ」
ホウキを掴みながらマスターはカウンターの向こう側を顎でしゃくる。
「ほら、こっち来い、茜」
俺は言われるがまま、傷口を洗うとカウンターの椅子に腰を下ろした。
「ごめん、マスター…」
しゃがんでグラスを片付けている、マスターのスキンヘッドに向かって俺はそう言った。
「あ?ああ…、気にすんな。グラスならいくらでもあるからな」
「ほら、手ぇだせ」
カウンターの上に腕を乗せ、掌を広げると、恭介は傷口に消毒液染み込ませたコットンを押し当てる。
少しだけ傷口に染みて、チクリと痛んだ。