魔憑攻殼戦記 深紅の刃
『魔に人あらず、人に魔あり』

 凛の脳裏に、昔の皇の言葉が過る。

 初めて訓練校で教わった言葉だ。

 彼女には、この言葉の真意が判らない。

 いつか、この意味するところが判る日が来るのだろうか。

 それまでに、どれだけの血を深紅の刃に吸わせるのだろうか……

 今はただ、自分が信じた道を行くしかない。

 凛は過去の自分を捨て去るように、歩を進めた。

 やがて、鎧武者の巨影が深い森の中に消えた。


               END
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