魔憑攻殼戦記 深紅の刃
 魔憑攻殼の羽が力強く羽ばたき、一〇〇パイクまで上昇した。

「しかし、本当にこんな所なのか?
二体の偵察型魔憑攻殻が、破壊されたって場所は」

 魔操士が、作戦前説明にあった重要事項を思い出して言った。

「それは確かなようだ。
いずれも封魔球残してバラバラだったらしい」

「封魔球を残してるとなると相手の規模は大きくないな」

「ああ、封魔球はそのままだと探知できるからな」

「偵察型とは言え、バラバラか。
それで相手の正体が判らないとはな。
魔憑攻殼じゃないのか」

「その確証が欲しいんだろ。
だから、俺達が派遣されてきたのさ」

「色付きの辛いところか」

「そういうことだ」

 その時、魔操士の視覚が左方の森の奥で、何かが光るのを捉えた。
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