魔憑攻殼戦記 深紅の刃
「なんだ、今の」

「どうした」

「森の中で、何かが光った」

「ちょっと待て」

 開封士は視覚の記憶情報をチェックした。

「あれか、解像度が悪いな。
金属の反射光のようだが」

「近づいて見る。
反乱軍かもしれん」

「頼む。
視覚の感度を上げるぞ」

「念のためだ、開封度三で行こう」

「判った。
行動限界時間に注意してくれ」

「了解した」

 開封士が、補助詠唱器に開封度二までの詠唱を任せ、第三段階詠唱を開始した。

 今までとは違う、音韻のパターンが機内を満たし、同時に魔の濃度が増していく。

 魔操士は、はち切れそうな力が身体に満ちていくのを感じた。

 視覚の解像度が上がり、先程の光の位置を素早く確認する。
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