赤い狼 弐
「る…稚春~?」
――ハッ――
「ご、ごめん。また、違う世界に行ってた。」
「またかいな。大丈夫か?少し休んだ方がぇぇんとちゃう?」
龍が心配そうな顔で私の顔を覗く。
「大丈夫だよ~。ありがと、龍。心配してくれて。
それよりさ、トランプってある?」
ウキウキしながら龍に聞く。
「…は?あるけど…何するん?」
「何って、ババ抜きするんじゃん!」
恒例だよ!?知らないの!?と龍に詰め寄る。
すると、要が
「恒例なのー?」
と私に近付きながら聞いてきた。
「うん!だって、ババ抜きはねぇ~、逢って間もない人とやったらとっても仲良くなるんだよ?」
ニッと笑いながら要を見る。