赤い狼 弐
「…はぁ。勘弁してくれよ。《SINE》とやり合いたいのか?」
「いや、やり合うつもりは無いで。稚春をこっちに引き込めばぇぇ話やろ。」
「…簡単に言ってっけど実際、そんな上手くいかねぇぞ。」
「分かっとる。せやから…拓磨達の力も貸して欲しいんやけど。」
「…は?」
冗談だろ。と思いながら龍の顔を見る。
でも、冗談を言っているような顔では無く、真剣そのものだった。
「…協力、俺はぃぃけど。要達はどうすんだよ。」
「その心配はもう既に消えたで。」
龍は人差し指でほら。と言いながらドア付近を指しながらニッと笑う。
…?
「…え゙。」