赤い狼 弐






…ムッカーーーー!





「…っな!馬鹿って何よー!人の事、馬鹿って言う方が馬鹿なんだよ!?馬鹿拓磨!」




少し息を切らしながら拓磨の方を見る。




「はいはい。馬鹿拓磨で結構ですよ。


それより稚春、お前早く隼人の所に戻った方がぃぃぞ。」




またもや拓磨は呆れたというような目線を私に送る。





うぅっ!だから、それ何気に傷付くんだってば!




「何でってお前…」





――ゾクッ――





拓磨が何か言おうとした途端、とてつもない殺気を感じた。





拓磨の言いたい事が分かった。





…だって、この殺気…。


私の予想だと多分…





「………隼人…。」








< 194 / 374 >

この作品をシェア

pagetop