赤い狼 弐
「り、龍…?」
驚きながら龍を見ると、龍は隼人を真っ直ぐ見ている。
一方、隼人も真っ直ぐ龍を見ている。
…"見る"というよりは、"睨み合い"と言った方が正しいかもしれない。
さっきよりも、場の雰囲気が冷たくなった。
どちらも口を開こうとはせずに、睨み合いを続けている。
それをハラハラしながら下から隼人と龍を交互に見る。
すると暫くしてから龍が
「また今度、遊びに来てぇな。ババ抜き大会の続き、皆でしようで。
勿論、来る時は"1人"やで。…隼人ん所に戻り。」
と私の耳元で囁いて、私の背中を少し押して
「はよぉ隼人の所に行け。」
と言って笑った。