赤い狼 弐
――プルルル…プツッ――
「…ハァッ…っ。見付かったかっ!?ハァッ。隼人!」
電話に直ぐ出た棗は俺と同じで稚春を必死に探しているらしく、息が切れている。
「いや、見付からねぇ。…で、思ったんだが…
あいつ等、稚春持って何処かに居ると思う。
《VENUS》の奴等全員居ねぇ。だから《VENUS》の奴等全員、どっかに隠れてると思う。
だから、わりぃが棗「あぁ。分かった。
その隠れてる場所、探せって言うんだろ?」」
棗は俺の言葉を遮って自信ありげに言う。
…本当…
「…お前には頭、上がんねぇよ。」
そう言って、フッと笑うと
「そうか?
お前、そう言いながらいっつも俺に仕事ドッサリ任せてくるけどな。」
と言って棗が鼻で笑ったのが分かった。