赤い狼 弐
「そうだったか?覚えてねぇな。」
「本当、都合ぃぃよね。隼人は。」
「あぁ。そうかもな。」
「あ、あった。チッ。こんな所、分かる訳ねぇだろ。
…隼人、今から言う所に行け。そこにぜってぇ稚春は居る。」
「あぁ。分かった。」
「場所は…―――」
――ブツッ――
…そんな所、分かる訳ねぇだろ!ぜってぇあいつ、シメてやる!
苛立ちながら乱暴にポケットに携帯を押し込む。
稚春の事だから大丈夫だと思うが…
もし、俺の大切な稚春になんかあったら……
ただじゃおかねぇ。
…俺、稚春に結構…
ゾッコンなのかもな。
「おい。車出せ。」
マジで龍、ぶっ殺すと思いながら俺は棗が教えてくれた《QUEST》に急いで向かった。
隼人side~end~