赤い狼 弐
「煩いなぁ…。」
心底煩そうに銀を見る。
「う、うるせぇって…稚春ちゃん、なんか性格変わったね…。
前はもっと大人しかったっていうか…女の子っぽかったのに…。」
「…あっそ。可愛くなくて悪かったわね。
それに、人って変わるから…そのままの訳無いでしょ。」
「つ、冷てぇ…。棗、稚春ちゃんが冷たいよぉ~。」
稚春ちゃんの言葉に傷付いた。
と言いながら銀は棗の背中にダイブする。
「うわっ!離れろ!気色わりぃ!」
でも残念な事に、棗には受け入れてくれなかったらしい。
…本当、馬鹿っぽい…。
そう思いながら大きく息を吸って
はぁっ…。
と一気にため息をつく。