赤い狼 弐





すると





「ため息ついたら幸せ逃げるんだってよー!」




と銀がまだ棗に抱きつきながら大きな声で言ってきた。







…へぇ。




そうなんだ。



じゃぁ…




「逃げた幸せを取り戻すには、どうしたらぃぃの?」




銀の顔をジッと見つめる。




銀も私の顔をジッと見つめる。



その後、頭を人指し指でポリポリと掻いて



「え…っ。そうだなぁ…。



大きく息を吸って、ひたすら前に歩むって意気込んだら取り戻せるんじゃねぇの?」




と言ってニッと笑った。






「…へぇ。」




幸せを取り戻すには大きく息を吸って前に歩む意気込みかぁ…。






暫く考える。







< 211 / 374 >

この作品をシェア

pagetop