赤い狼 弐
するともうすぐ笑いが止まりそうな棗が
「稚春はやっぱりそっちの方が稚春らしくてぃぃと思うよ。」
と言って少し笑った。
「…そっちの方って?」
首を傾げながら棗に聞くと、棗じゃなくて連が
「落ち込んでるより、元気な方が稚春らしいって事だろ。」
と説明してくれた。
…ふぅん。
「いつも笑ってる方がぃぃの?」
ニッと笑いながらそう聞くと、奏が
「うん!やっぱり稚春には笑顔が一番だよ!」
と言って笑った。
そっかぁ…。じゃぁ、笑顔で居なくちゃな…。
「でも、辛くて笑えねぇ時があったら無理して笑うなよ。」
「…え?」