赤い狼 弐
「外すなよ。一生。」
「…。一生は分からないけど、外さない努力はする。」
「外したら殺す。」
「…殺せるもんなら、殺してみれば?」
フンッと大きな鼻息が聞こえそうな位、隼人に偉そうに言ってみる。
「フッ。言うようになったじゃねぇか。」
「まぁね。そりゃぁこんな俺様が側にいつも居たんじゃぁ、こんな性格にもなりますー。」
プイッと顔を隼人から背ける。
「…お前、まだ根に持ってんな…?」
「…何を…?」
「…根に持ってる訳じゃねぇのか…。でも、怒ってたよな?」
「だから、何が?」
「俺が《VENUS》の奴等からお前連れ戻した後、稚春にキスした事。」