赤い狼 弐
「隼人?」
本当に隼人なのかどうなのか確かめたくて隼人の顔を覗く。
「あぁ。」
「どうしたの?」
「迎えに来た。」
「迎えに?今日、連じゃないの?」
「何だ、稚春。俺より連の方が良かったか?」
「あ、いや。そういう訳じゃなくて…。」
「じゃぁ何だ。」
「…っ。」
隼人がこっちを向いて私の目を見つめる。
一瞬、その瞳に捕まったようになって動けなくなった。
「…キスして欲しいのか?」
ニッと笑いながら隼人は私をからかうように言った。
「Σな゙!んな訳ない「ぃぃぜ?」」
次の瞬間…―――
私の視界には隼人の顔しか見えなくなっていた。
「んんっ…!?」
そこで初めて、自分が隼人とキスしている事に気付いた。