赤い狼 弐






すると、後ろに居た隼人が大きなため息をついて私を横目で見てきた。



「今日、何日だ?」



「…10月10日?」




何で今、日にちを聞くの?




私の答えを聞いた隼人はまた、大きなため息をつく。








「お前の誕生日だろうが。」










…ん?





誕生日…?





私…?







「あ。」





そうだった。




10月10日は私の誕生日だった。




「ったく、普通、自分の誕生日忘れるかぁー?」




連が呆れた様な目で私を見てくる。





…まぁ、連が言いたい事はよく分かる。




でも、誕生日ってそんなに大事なモノ…?






「だって私、誕生日をちゃんと祝ってもらった事…ある人以外、無いんだもん…。」




俯きながら唇を噛み締める。









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