赤い狼 弐
私の誕生日なんて、無意味なモノ。
だって、私は生まれてきちゃいけなかったんだから。
…でも、あの人だけは…
そんな事無いって言ってくれた。
あの人だけは、私を必要としてくれた。
なのに…
どうして…
居なくなってしまったの…?
「稚春…?」
――ハッ――
「ご、ごめん。何…?」
心配そうに見つめてくる奏を見て、無理やり、笑顔を作って笑う。
「ボーとしてたよ?大丈夫?」
「うん…。大丈夫。ちょっと、昔の事思い出しただけ。」
「昔の事…?」
「うん。昔の事。塚、それより…なんで私の誕生日知ってるの?まさか、エス「パーじゃねぇよ。」」
…じゃぁ何…?
私の言葉を遮った銀を見る。