赤い狼 弐






クスッと小さく笑ってハサミで折り紙を切る。




「…雷太、お前は準備終わったのか?」



「あっ!忘れてました!えっと…」



俺に気を遣っているのか、頭を掻きながらこっちをチラッと横目で見てくる雷太。




…こんぐらい、自分で出来るっての。




「…俺の心配はしなくてぃぃよ。自分で出来るから。」



「あ。そうッスか?じゃぁ…お願いします。」



「あぁ。」




雷太の方を見ずに、手元にある折り紙に視線を向けながら返事をすると、雷太の足音が遠のいていった。




…ったく、副総長だからってそんなに気を遣わねぇでもぃぃのに。





はぁ。と一つ、ため息つきながら紙飾りを作っていく。





…意外と、こんな地道な作業もやってみると面白れぇもんだな。




それからは、夢中になって紙飾りを作った。





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