赤い狼 弐
その後、取り敢えず隼人逹に下を任せて、稚春を二階に上がらた。
俺は涙が止まるまで稚春の側で背中をずっと擦ってた。
その間、ずっと稚春は
「私の誕生日会なのに私が居ないなんて、やっぱり駄目だよね…。」
と眉を下げていた。
その度に
「そんな事ねぇって。」
と言って稚春を慰めた。
稚春は優しいから。
そうやって罪悪感抱いてしまうんだよな。
…少し、稚春のそういう処は隼人に似てるな。と思った。
「…棗、何かぃぃ事あったの?」
「は?」
「だって、少し笑ってたから。」
…顔に出てたか?
少し、恥ずかしいな。
「いや、似てるなって思って。」
「…誰と誰が?」
「稚春と隼人。」
「はぁ?」