赤い狼 弐






…あれ。




俺、何か変な事言ったか?




稚春、眉間に皺が寄ってる…。




「ごめん。嫌だった?」



「嫌か嫌じゃないかで聞かれたら、ヤダ。」




頬をプクーと膨らませながら俺を上目遣いで見てくる稚春を見て…





少し、ドキッとした。






…何だ?




このドキドキ感。





今まで感じた事の無い胸の高鳴りに少し違和感を覚えながらも稚春から目を離さず口を開く。




「そっか…。嫌な思いをさせたなら、ごめんね?でも、本当に似てるって思ったんだ。」



「…何処が似てるの?」



「自分を責めすぎる処と、優しすぎる処…かな。」



「…私、優しいかな…?」





…えぇええぇえ。




気付いてないのか。




十分、優しいと思うけど…。







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