赤い狼 弐
無自覚だったのか…。
尊敬。
「優しいよ。稚春が思っている以上に。」
ニッコリと笑うと稚春は少し恥ずかしそうに…でも、嬉しそうに笑った。
そこで、さっきから気になっていた事を聞いてみた。
「…ねぇ、稚春がさっき言ってた、誕生日を毎年祝ってくれていた"ある人"って誰の事…?」
…これは正直、聞いてはいけない事かもしれない。
でも、気になったんだ。
そして…もう一つ、この前からずっと気になっていた事。
「稚春って、何か隠してる事…あるよね?」
これは聞こうか聞かないかずっと前から悩んでいた事。
でも、今なら、聞けば話してくれる。
そう思った。
…直感だけど。