赤い狼 弐
…誰…?
廊下が暗い為、目を細めて目の前に居るのが誰なのか確認しようとする。
でも、暗すぎて誰だか分からない。
…誰なの?
少し、強く握られている自分の右腕を見て少し眉間に皺を寄せる。
でも、そんな疑問も棗の次の言葉に明らかになった。
そこに居たのは
「心配して来たの?隼人。」
…隼人だったらしい。
何だ…隼人か。
誰かと思った…。
塚…
「今の私の話、もしかして聞いてた?」
大分暗さに慣れてきたらしい目を隼人に向ける。
「……………聞いてねぇ。」
「…。」
いやいや…今の間、何。
絶対、聞いてたよね。