赤い狼 弐






「そ、そそそそ空耳じゃ無い!?」





「うん。"そ"多いよね。」





「さっきから何故標準語!?」





「絶対話聞いて無いよね。」




「龍さんは真剣になると標準語になるんですよ。」





…………





「え゙…來訝お兄ちゃん…いつの間に…。」







龍の謎の標準語の説明をしてくれたのは車に乗っていたはずの來訝お兄ちゃんだった。





「ら、來訝お兄ちゃん?」






來訝お兄ちゃんは私の言葉を聞いて目を見開いて私を見る。






「はい、お兄ちゃんって感じのオーラなんで來訝お兄ちゃんです!」






「いや、來訝お兄ちゃんって…」




「…駄目ですか?」






タジタジしている來訝お兄ちゃんに少し眉を下げながら首を傾げる。







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