赤い狼 弐






「そっか。そいなら話しは早い。明日、ピランルト・タウンに行くさかい、用意しといてなぁー。」




は?




「今、ピランルト・タウンとかいう単語が聞こえたんだけど。空耳?」




帰ったら耳掻きしよう。


きっと、耳くそがいっぱいありすぎて変な声が聞こえちゃったんだ。




「いやいや、空耳や無いで!ちゃんとピランルト・タウンって言うたで!


この前、チケットあるって言うたやん。その時のチケット、まだ使って無いやろ。」




あぁ、そうだった気がする。




「…こんな煩い奴と一緒に行かなければいけないのか…。」



「稚春、声に出とるから。」



「うん。知ってる。」




わざとだもん。聞こえて当たり前でしょ。




「塚、明日何時に行けばぃぃの?」



「うぅ…っ!稚春、酷いやないか!そんな子に育てた覚えは無いぞ!」



「育てられた覚えがねぇよ。」






< 348 / 374 >

この作品をシェア

pagetop