赤い狼 弐
「そっか。そいなら話しは早い。明日、ピランルト・タウンに行くさかい、用意しといてなぁー。」
は?
「今、ピランルト・タウンとかいう単語が聞こえたんだけど。空耳?」
帰ったら耳掻きしよう。
きっと、耳くそがいっぱいありすぎて変な声が聞こえちゃったんだ。
「いやいや、空耳や無いで!ちゃんとピランルト・タウンって言うたで!
この前、チケットあるって言うたやん。その時のチケット、まだ使って無いやろ。」
あぁ、そうだった気がする。
「…こんな煩い奴と一緒に行かなければいけないのか…。」
「稚春、声に出とるから。」
「うん。知ってる。」
わざとだもん。聞こえて当たり前でしょ。
「塚、明日何時に行けばぃぃの?」
「うぅ…っ!稚春、酷いやないか!そんな子に育てた覚えは無いぞ!」
「育てられた覚えがねぇよ。」