赤い狼 弐
「おりゃ!」
「うひゃぁっ!くくくく、曲者!」
――ゴチンッ――
「いってぇえぇえっ!」
あぁ。どうしよう。凄く困った。
私の背後に顎を押さえて踞っている、黒に金のメッシュが入っている男の人。
確か…
「朋さん大丈夫ですかっ!?」
「え。そっちとっちゃった?」
「え。違いました!?」
「いや、合ってるけど…龍達は弘さんって呼ぶからな。なんか、朋さんって呼ばれるの新鮮。」
朋さんはハハッと笑って顎をまだ押さえながら立ち上がった。