赤い狼 弐






「ゆ、優悪ー!ぃぃ処に来たぁ!助けてーーっ!石にされる!」



「はっ?石?」



「うん、朋さんと目を合わせたら石にされるんだって!嫌だぁ!まだ石にされたくないっ!」



「んな訳あるかっ!稚春、さっきから失礼だぞ!」



「うぇっ!?近づかないでー!」


「そうだ、近付くな。初代総長でも稚春に乱暴したらただじゃおかねぇぞ。」



「そうですよっ!初代総長だからって……って…えぇっ!?」





ギャーギャーと騒いでいたのを止めて朋さんを見る。



「朋さんって初代総長だったんですかっ!?」



「お。目が合った。」



「ギャー!しまった!目を合わせてしまったぁー!優魔!助けて!朋さんと目が合ってしまった!対処法は無いのっ!?」



すぐ近くに居た優魔を捕まえて肩を揺する。



「あぁあぁ、あれね。嘘だから気にすんな。」




何だと。




「えっ、じゃぁ目を合わせても石にならないの…?」



「当たり前だろ。考えればすぐ分かる事だろ?」




え。もしかして信じてた?


と馬鹿にしたように笑った優魔。




……………………こ、





「このやろぉおおぉおぉおっ!!」








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