赤い狼 弐
「人で遊びやがって!チキショー!」
「いやぁ、まさかあんなに信じるとは思ってなくてさぁ。」
優魔の胸ぐらを掴んでグラグラと揺らすが、優魔はヘラヘラと笑う。
こいつ、全然反省してない。
「ムカつく!」
「おいおい。んな怒んなって。顔がナメクジみたいになってんぞ。」
「え。ナメクジって顔無くない?あれ。気のせいかな。ナメクジって顔無かったよね?」
「あんまり怒ると顔が欠陥品になるぞ!」
余計なお世話だ。
塚、お前が原因で怒ってるんだよ。
「キィィイィイィイッ!」
優魔はぃぃ奴だと思ってたのに。
私の予想は外れたようだ。
「おいおい、落ち着けって。」
朋さんが頭をワシャワシャと掻きむしる私を止める。
「つぅーか、やっぱり何処かで見た事ある気が…。」
ギクッ!
「き、気のせいじゃないんですかっ?」
「そうかなぁー…絶対見た事ある気がするんだけどなぁ。うーん、思い出せないなぁ。」
「そんな事より、買い物しましょうよ!せっかく来たんですし!」
朋さんの背中を後ろからグイグイと押す。