赤い狼 弐
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「ぐあぁ~、疲れたー!」
手を上に伸ばしている拓磨。
すっかりいつもの拓磨に戻ったようだ。
もう二度とコイツ等とは買い物に来たくない。
激しく後悔だ。
まぁでも、楽しかったけど。
チラッと私達が乗っているリムジンの後ろに付いてきているもう一台のリムジンを窓から見る。
結局、朋さんは私が可愛ぃとか綺麗とか言った商品を全て買ってくれた。
ちゃんと断ったのに。
朋さんの目力には勝てなかった。
優魔が言っていたのも間違いでは無いんじゃないだろうか。
朋さんと目を合わすときっと、朋さんに逆らえない魔法か何かに掛かってしまうんだ。
うん。そうに違いない。
うんうん。と頷きながらまだ窓からリムジンを見つめる。
ピランルト・タウンを出て帰ろうとした時、商品を買いすぎて乗ってきた車に入らなくなって、急遽"買った荷物を運ぶ為の車"を呼んだのは言うまでもない。
本当、その為に呼ばれた來訝お兄ちゃんには頭が上がらない。
後で朋さんに買ってもらった物の中から來訝お兄ちゃんに好きな物を持って帰らそう。
どうせあんな大量に物があっても使わない事の方が多いだろうし。
塚、私に使いこなせるのかが心配なんだけど…。