赤い狼 弐
手が優しい…?
どういう事だろう。
頭に?マークを浮かべて考えてみるものの、全く予想がつかないから考えるのを止めた。
――ガチャッ――
「あ゙ー、疲れた。」
「チッ、誰だよ。こんなに物買ったのは。」
「お前だよ。」
「…マジか。いつの間にこんなに買ってたんだ。」
「腹減ったー。なぁ、腹減っとらんか?」
「龍、耳元で喋るな。もぐぞ。」
「何処をもぐつもりなんか!?優悪、怖いわー。何か言ってやってー、鳳陽さんー。」
「…。」
「無視かいなっ!どいつもこいつも酷いわっ!」
…あぁ。煩いのが帰ってきてしまった。
思わず、起きてしまわないよう要の耳を塞ぐ。
…にしても、買いすぎじゃないだろうか。
特に優魔。
何だ、その買い物袋の量は。
半端ねぇな。
「お帰り。」
引き攣りながらも笑顔は絶やさずに龍達を見る。
我慢だ、稚春。
こいつ等は普通の人達じゃ無いんだから。