赤い狼 弐






取り敢えず、静かになった部屋で、何で騒いでいたのかの理由を聞く。





「キキキキ、キスマークが!」



もう龍はテンパっているのだろう。



どもり過ぎ。




龍がキスマークと言って指を指した処を見る。





「何だ、蚊じゃん。」



多分、虫刺されだろう痕が鎖骨辺りに残っていた。



「蚊なんて今の時期に居んのか!?」



手をワナワナとさせてそう呟いたのは他でもない、陽。



陽、キャラ壊れてるよ。




「じゃぁ、何で何も着てねぇんだ?」



冷静にツッコミをしてきたのは忍者並の速さでこの部屋に来た朋さん。



「あぁ、これは、毛布で隠れてるからそう見えるだけですよ。」



ほら。と毛布を少し捲って見せると朋さんは


「肩までの服だから着てねぇように見えたんだな。」


と冷静に推理をした。




それによって皆、納得したのか

はぁ。


とため息をついて皆、ソファーに座り始めた。




「あ~、良かった、良かった。ホンマに焦ったわ。」



龍はハハッと笑って私を見る。



何がそんなに焦ったんだろう…。



「何に焦ったの…?」



「稚春が要とヤった…ブッ!「お、こんな処にパイナップルが落ちてる。」」




龍が何かを言っている途中に、拓磨が龍の頭を掴んで頬を殴った。




その光景に唖然とする。





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