赤い狼 弐
稚春は誰かと電話しよるみたいや。
まぁ、気にせんけどな。
だんだんと稚春との距離が近くなると話の内容が聞こえてきた。
「――――…連?照れてるの?」
連?
…あぁ。
《SINE》の幹部の奴か。
稚春の後ろに到着した俺は、そのまま稚春の後ろに止まり、話の内容をジッと聞く。
すると、稚春が迎えの事を言い出した。
何や、連の奴…。
毎日稚春と一緒に帰ってんか?
…何や、ムカつくなぁ…。
そう思った時には、俺は稚春の言葉を遮り、携帯を取りあげて電源を切っていた。