赤い狼 弐
稚春の怒りを抑えようとなるべく可愛ぃ感じで言ってみる。
作戦は成功したみたいや。
…でも、口がポカンッって開いて、固まっとるけどな。
「なんやねん。固まって。だぁーい丈夫ですかぁ~?」
ニヘラッと笑って稚春の顔の前でブンブンッと手を振る。
そしたら、ギロッと睨らまれた。
…恐いで。普通に。
「そないに怖い顔せんといて!馬鹿にしとる訳や無くて本気やし!な、白兎稚春ちゃん♪」
これ以上怒らせないように、なるべくニカッと笑った。