顧問と私たちと旅行部な時間
前の席の女生徒からプリントを受け取った少女――小原綾海は、そのプリントの内容を見ながら、残りのプリントを後ろの席に渡した。
プリントには都道府県を線で区切った日本地図が描かれてあるだけで、設問が何1つ書かれてなかった。あるのは、学年、氏名の欄だけだった。
「その都道府県に、何でも良い、思いつくことを書き込んで欲しい。先ほども言ったが、この問題には正しい答えはない。気楽に回答してくれ」
担任の言葉に、それぞれが日本地図に書き込みを始めた。
ペンを持ちつつも退屈そうにプリントを眺める祐樹は、隣の席で姿勢を正して書き込んでいる綾海を見た。
「なぁ、これ、意味あると思うか?」
顔を向けずに綾海が答えた。
「意味があるかなしかはどうでもいいけど、こういうのは好きだわ」
呆れ顔で綾海を見た後、祐樹は机に片膝を突いて怠そうに書き込み始めた。
このプリントは1組だけでなく、2、3組も同様だった。
3組の八坂那歩もプリントに顔を近づけながら、楽しそうに書き込んでいる。
隣の2組の姫島琴子も普段と表情を変えずに、ペンを走らせていた。
プリントには都道府県を線で区切った日本地図が描かれてあるだけで、設問が何1つ書かれてなかった。あるのは、学年、氏名の欄だけだった。
「その都道府県に、何でも良い、思いつくことを書き込んで欲しい。先ほども言ったが、この問題には正しい答えはない。気楽に回答してくれ」
担任の言葉に、それぞれが日本地図に書き込みを始めた。
ペンを持ちつつも退屈そうにプリントを眺める祐樹は、隣の席で姿勢を正して書き込んでいる綾海を見た。
「なぁ、これ、意味あると思うか?」
顔を向けずに綾海が答えた。
「意味があるかなしかはどうでもいいけど、こういうのは好きだわ」
呆れ顔で綾海を見た後、祐樹は机に片膝を突いて怠そうに書き込み始めた。
このプリントは1組だけでなく、2、3組も同様だった。
3組の八坂那歩もプリントに顔を近づけながら、楽しそうに書き込んでいる。
隣の2組の姫島琴子も普段と表情を変えずに、ペンを走らせていた。