春の香り

◇◆◇


トヨさんの葬式が終わった跡、僕等は二人で公園にきていた。


「・・・野郎二人で夜の公園ってのも悲しいもんだな。」


そういって、駿は笑った。


無理に笑っている気がした。



そして、刻々と僕等の別れの時間も近づいていた。



「・・・・そろそろ、か。」



「・・・ああ。また死ぬんじゃねえぞ。」


「馬鹿言え。人間誰だって最後は死ぬもんさ。」


そう、駿が呟くと突然、駿の体が透け始めた。



『任務』完了の時が来たからだ。



「お前も、早く生き返れよ。生き返ったら、勿論お前と居た記憶は無くなっているけど、今からいうことは本当の事だかんな。・・お前は、俺の最高な親友だった。・・また、会おう。」




「・・・ああ。」



そして、駿は消えた。



これからは・・・僕の番だ。



しばらくの間、夜空を眺めていた。



冷たい風が、僕の髪をさわ・・と揺らした。




なぜか、心は苦しかった。
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