春の香り
伝えるべきこと
◇◆◇
「石松君、おはよう。」
「ああ、おはよう。」
いつもと変わらない朝が、またやってきた。
あの日の後日、僕は先生にこってり絞られた。
・・・仕方ないんだけど、なんだか後味が悪いんだよなあ。
「この間はびっくりしちゃった。突然教室から居なくなっちゃうんだもん。」
末安は、笑いながら言った。
僕は、この笑顔を見るのが好きだった。
「ああ・・・まあ、それには訳が・・・。」
「訳って?」
「・・・其れは言えないけど・・・。」
その時だった。
「・・・・・なあ、お前ら最近仲良すぎじゃねえか?もしかしてで出来てんのか?」
後ろから、クラスメイトの尾崎からかう様に言った
「・・・・はあっ?」
しまった・・・!
僕は、今更ながらそのことに気がついた。
確かに、こうも一緒に居ると誤解されるに決まっている。
「いや・・・付き合ってないって。気が合うからつるんでるだけだよ。」
少し嬉しいながらも、弁解をする僕。
・・どうにかしなければ・・!
そう、思った。