春の香り
その行き先は中学校。
末安愛理は中学生のようだ。
僕はその学校の廊下を軽い足取りで歩く。
教室の前で僕はゴクリとのどを鳴らした。
ガラ・・と、重いドアを開ける。
担任と思われる先生が僕を見てニコッと笑った。
「転入生を紹介します。」
カツカツと、黒板に文字が書き出される。
「石松翔太君です。皆さん、仲良くしてください。」
軽い自己紹介を済ませて、僕は指定された席に着く。
すると隣の女の子がニコッと笑い語りかけてきた。
「私、末安ってゆうの。宜しくね。」
偶然にも、まさしく僕のターゲット末安だった。
人の良さそうな顔つきで嫌味のない感じの女の子。
「さっきも言ったけど、石松。よろしくな。」
僕はとりあえず、その女の子が悪そうな感じでは無かったことにただ、安心をしていた。
しかし、この子を幸せにするにはどうすれば良いのだろう。