春の香り
Happy End
◇◆◇
「おい、将太。相変わらず眠そうだな。」
友達が冗談交じりにそういった。
「うっせえな。寝不足なんだよ。」
僕は石松将太。至って普通な中学生。
今日は三学期の始業式だ。
「・・・あ、そういえば今日転入生が来るってしってた?女子だってよ。」
「へえ、そうなんだ。」
ガラガラ
教室のドアが開く音がした。
「ほら、あんたたち。席に着きなさい。ホームルーム始めるわよ?」
後ろには見たことがない女の子が居た。
「未安愛里です。よろしくお願いします。」
「それでは未安さん。席は石松君の隣だから、席についてください。」
「はい。」
そして彼女は僕の隣に腰掛け、微笑んだ。
彼女からはなぜか、少し早い
『春』の香りがした。
end