春の香り
◇◆◇
「・・・卵、卵っと。」
僕は今、末安と一緒にスーパーに来ていた。
お願いというのは、買い物に付き合うこと。
つまり、荷物運びって訳だ。
僕は女子と二人きりになることなんてほとんどなかったし、最初はどうしようかと思ったけど意外とそうでもないものだった。
「後は、タマネギがほしいな。」
「あ、じゃあとってくるから。ここにいて。」
僕は生鮮食品コーナーへと向かう。そして、会計をすませた僕等はスーパーを出た。
「
・・・・今日は、付き合わせてごめんね。」
帰り際に、末安は静かにつぶやいた
「
いや、別に僕も用事なかったし、いいっていいって。」
どうせ、これから天界に帰るだけだし。という言葉は慌てて飲み込んだ
「あ、じゃあさ・・」
「え・・・?」
本日二度目のお願いだった。