続・アイドルまっしぐら!!
「……息子の幸せを奪ってしまった母親の、せめてもの罪滅ぼし。私は、どうなっても構わないから、あなたの幸せを祈りたい。」
……僕は、少しの戸惑いと迷いが心の中に広がっていくのを感じた。
……僕は、里奈の彼氏で、里奈を守る使命がある。
いや、使命っていうか、里奈のことが大好きだから、傍にいたいと思うだけ。
……だから、この話は彼女の言う通りにする必要があると思う。
「……本当に、僕のせいでどうなってもいいんですか?」
「子どもの幸せを見守る母親はいても、子どもの幸せを壊そうとする母親はいないわ。」
……僕は、里奈を悲しませるために、里奈と恋をしたわけじゃない。
でも、実の母親の人生を壊しかねない選択に、僕は口をつぐむしかなかった。
……誰も傷つかず、誰もが幸せに笑っていられる方法はないのかな。