続・アイドルまっしぐら!!
……一瞬、時間が止まったような気がした。
だって、光樹がこんなに切ない表情で真剣に言うから。
「……光樹、あの……」
「いい。何も言うな。俺だって、里奈と良介の間に入り込む隙間がないことぐらい分かってるし。こんな妥協案、あり得ないことも分かってる。でも、こんな気持ち抱えたまま里奈と良介の幸せを願うことはできない。」
……久しぶりに見た。光樹の泣き顔。
「……里奈のこと忘れるまで、もう里奈と良介には関わらない。」
……いつから?私、光樹のこと傷つけてた?
……もう大丈夫なんだって思ってた。
「でも、一つだけ。」
光樹は、涙を拭いながら私に向かって笑顔を浮かべた。
「自分の気持ちを大切にしろ。」
私は、そう言い残して走り去っていく光樹に、何も言うことができなかった。