続・アイドルまっしぐら!!
「母から、色々と話を伺いました。」
だだっ広い応接室には、目に見えそうなくらいはりつめた空気が流れていた。
「そうかね。」
社長さんは妙に落ち着いている。
「ご存知かとは思いますが、僕には彼女がいます。プロポーズもしました。それに今回の話は、僕の知らないところで進められていたみたいですし、お断りさせて頂くために、本日は参った次第です。」
僕がそう言うと、社長さんはふぅとため息をついた。
「『Master』の皆さん。里奈に話をしたみたいですね。ご迷惑をおかけしました。」
「……いや、そんなことないよ。こちらこそ勝手にごめんね。」
栗原さんは嫌味っぽく言った僕に、ちゃんとそう返してくれた。
この辺りが、まだ『Cute Boys』が『Master』を抜けない要因の1つなのかなぁ。