続・アイドルまっしぐら!!
「もしかしてまだ……」
僕は昂の言葉に静かに頷いた。
「お前、諦めたんじゃなかったのか?紀子さんのことも、事務所のことも、『Master』のことも守るには、これが得策だって……」
「そんなの本心なわけないだろ!」
珍しく感情が高ぶっていた。
今の僕は、たくさんの人たちに支えられたからこそ、存在している。
もちろん、アイドルとして成長させてくれた事務所や社長、そしてマネージャーとして支えてくれた紀子さんには大きな恩がある。
「……山中くんのように、真っ直ぐにただ大切な人を想うことは僕に許されてないのかな?」
……僕は、彼のようにはできないのかな。