続・アイドルまっしぐら!!

「おい、奏。女の子が来てる。」




昂とはグループを組む前から、何かと一緒にいることが多かった。




その日も、一緒にダンスの練習をしていた。




「え?」




僕が昂の言葉を聞いて辺りを見回すと、確かに壁に寄りかかりながら、僕たちのダンスの練習を見ている女の子がいた。




はっきりと何歳かは分からないかったけど、そんなに違うことはないはず。




『Leaf Storm』は、男性アイドルの事務所。




女性はマネージャーなんか以外には基本的にいない。





だから、彼女がそこにいるのはとても異様な光景だった。





「誰だろ？」




「分かんないな。けど、あんなに堂々としてるってことは、ただ者じゃないだろ。」




「うん……」




「次。Cグループ。」




「あ、俺たちの番だ。行こうぜ、奏。」




「あ、うん。」




これが、佳代と僕の出逢いだった。