続・アイドルまっしぐら!!
「……ん?」
そのいつもの短い帰り道に、見慣れない人影がいるのに気がついた。
歩いているわけでもなく、止まっているわけでもない。
何かを探しているように見える。
「あの……何かお探しですか?」
俺が近づいてそう声をかけると、驚いたような表情を浮かべて、その人は振り返った。
品の良さそうな女性だった。
「あの、この辺りのことなら詳しいですし、力になれると思います。」
「いえ……あの……何でもないんです。すみません。」
何でもない割には挙動不審すぎる。
「……本当ですか?」
俺が問い詰めると、その女性はゆっくりと口を開いた。
「……あの、この辺りに『Cute Boys』の山中良介くんがコンサートで公言した彼女さんの家があるんじゃないと思って……。」