続・アイドルまっしぐら!!
「……何回来ても大きい部屋だね。ここ。」
「そうかな?でも、これからは二人で住むんだからちょうどいい大きさになるよ。」
事務所と親しい業者さんにお願いして、荷物を全部僕の部屋に運び込み終わったのは結局夕方だった。
「……お腹空いたね。」
里奈はそう言ってソファに倒れこむ。
「じゃあ、引越祝いにお寿司でもとろうか。」
「お寿司?普通、そばなんじゃないの?」
「そばでもいいけど、それで里奈のお腹は満たされるの?」
僕は、少し意地悪なことばを投げかけた。
里奈は、予想通りに困っている。
「冗談だよ。僕がお寿司を食べたいの。」
「……りょうくんの意地悪。」
僕は、そう言ってむくれている里奈の頭をそっと撫でた。
「ごめん、ごめん。里奈の困った顔が見たくて。」
僕がそう言うと、里奈は笑顔になった。
「……一緒に暮らすってこういうことなんだね。」
「……そうだよ。これからさ、里奈と楽しいことも辛いことも一緒に経験していくんだ。時々は喧嘩することがあるかもしれないけど、ちゃんと仲直りして、ずっと一緒にいようね。」
「……うん!」
段々。夕日が沈み始めていた。