続・アイドルまっしぐら!!

そんなとき、僕の携帯が鳴った。




「ちょっとごめんね。」




相手は橘さんだ。




「……もしもし。」




「良介、すまない。学校は大丈夫か?」




「はい。今日は、ちょっと特別ってことにして、一時間目をサボることにしましたから。」




「そうか……。」




電話口から聞こえる橘さんの声には、いつもの元気さがない。




「どうしたんですか?」




「……今から、学校抜けて来れるか?」




「はぁ……急な仕事だと言えば何とか……でも、確か今日は4時からのはずですよね?」




僕がそう尋ねると、橘さんは少し間を置いた。






「……良介の母親だっていう人が来てるんだ。」




「……えっ?」






……何かの聞き間違いかと思った。




でも、そうではないらしかった。




「……分かりました、今から行きます。」




僕はそう言って携帯を切った。





……これからまた、僕と里奈の運命が、複雑に絡み合っていくことなど、知る由もなかった。
< 83 / 320 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop