続・アイドルまっしぐら!!
そんなとき、僕の携帯が鳴った。
「ちょっとごめんね。」
相手は橘さんだ。
「……もしもし。」
「良介、すまない。学校は大丈夫か?」
「はい。今日は、ちょっと特別ってことにして、一時間目をサボることにしましたから。」
「そうか……。」
電話口から聞こえる橘さんの声には、いつもの元気さがない。
「どうしたんですか?」
「……今から、学校抜けて来れるか?」
「はぁ……急な仕事だと言えば何とか……でも、確か今日は4時からのはずですよね?」
僕がそう尋ねると、橘さんは少し間を置いた。
「……良介の母親だっていう人が来てるんだ。」
「……えっ?」
……何かの聞き間違いかと思った。
でも、そうではないらしかった。
「……分かりました、今から行きます。」
僕はそう言って携帯を切った。
……これからまた、僕と里奈の運命が、複雑に絡み合っていくことなど、知る由もなかった。