続・アイドルまっしぐら!!
「里奈もこれで人気者になったわね。」
「そうかも……。でも、幸せだから。」
「……人の甘い話を聞くのは、やっぱり面白いわね。特に、里奈の話は。」
……そうかなぁ。
私たちがそんなことを話しながら、教室に行くと、みんなが窓の外を眺めていた。
「何かあったのかな?」
「そうね……ねぇ、何かあったの?」
千里が近くにいた女の子を捕まえて聞いた。
「あのね!『Master』の誰かがいるんだって!」
「『Master』って、あの『Master』?」
……どうしてこんなところに『Master』が?
「……気にくわないわね。」
「えっ?」
「……里奈。何があっても、一番大切な人を忘れちゃダメよ。」
「う、うん……。」
どうして今、そんな話をしてくるのかは分からなかったけど、いつになく真剣な眼差しを浮かべている千里に、うなずくしかなかった。