続・アイドルまっしぐら!!
「ねぇ、あれ栗原奏太よね。」
窓から見た先には、『Master』で一番人気の栗原奏太(くりはらそうた)の存在が確認できた。
「……クーデターか何かかと見紛うほど、人が集まってるわね。」
「うん……。」
私は、千里の言葉に相槌をうちながら、スターライツの社長さんの話を思い出していた。
『私は、『Cute Boys』が『Master』を抜いてくれると信じてるんだよ。』
……何か不吉な予感がした。
「……ねぇ、千里。まだ時間あるし、見に行ってみようよ。」
「え?いいけど……。」
私たちは、また外へ赴き、人混みの中心に目をやった。
「……間違いないよ。栗原奏太だね。」
遠くからでも目立つそのオーラは、言葉では言い表せないほどだった。
……りょうくんのほうがいいけど。
「ねぇ、何か里奈のほう見てない?」
「えっ?」
千里に言われて気づいたけど、栗原奏太は間違いなく私を見てる。
普通なら自惚れみたいな処理のされかたなんだろうけど、違う。
だって、人混みを掻き分けて、私の方に歩いて来てるもん。